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「公民連携に取り組む企業・団体への学生取材」 実際に取材に行ってきました!
名古屋市では、将来も安心して暮らせる持続可能な社会をつくるために、地域が抱える課題の解決に向けて様々な取り組みを行っています。
それらは行政だけではなく、企業や団体など多くの人と協力することで、より一層効果的に解決ができるものと考え、これまで民間企業や大学などと「包括連携協定」を結び、ともに課題解決に取り組んできました。
地域の課題や解決方法について、次世代の担い手である若者に知ってもらうため、学生のみなさんに包括連携協定企業・団体を取材してもらい、若者の目線で発信する事業を令和4年度より実施しています。
取材に先立ち、8月上旬に事前勉強会が開かれ、参加者は話を引き出すコツなどを学びました。事前勉強会の様子は、以前の記事でご紹介しています。そちらも是非ご覧ください。
8月下旬、いよいよ包括連携企業・団体への取材がスタートしました。今年度は29名の学生が7チームに分かれ、7つの企業・団体へ訪問しました。
学生の皆さんは緊張しながらも、学生目線で取材を行った様子をレポートでお届けします。
① レゴ®︎ブロックを使ったワークショップを学生たちも体験
1つ目のチームが取材したのはレゴランド®︎・ジャパン合同会社。
小さなお子さんを中心に、誰もがレゴ®︎ブロックで夢中になって楽しめるテーマパーク「レゴランド®︎・ジャパン」。そんな空間づくりはもちろん、楽しいだけでなく、子どもたちの成長を促す独自の学習プログラムなども提供しています。
今回の取材の主なテーマは、小学校に出向いて実施されるレゴ®︎ブロックを使ったワークショップです。子どもたちが協力して取り組み、コミュニケーション能力や課題解決能力を養う内容です。取材の一環として、学生のみなさんもこのワークショップを体験させてもらいました。時間に追われてあわてながらも、終始楽しそうに作業が進められました。このワークショップに限らず、レゴランド®︎・ジャパンが取り組む教育や地域活性の活動を知る機会になりました。
② 暮らしの欠かせない衛生用品と社会課題解決
2つ目のチームは花王グループカスタマーマーケティング株式会社を取材しました。
花王が取り組んでいるのは、衛生や美と健康に関する専門知識を活かしたさまざまな講座です。例えば、正しい手洗いの仕方を子どもたちにレクチャーするなどしています。同様の内容を名古屋市のイベントでもおこなうなどして、一緒に心地よく健康な暮らしに関する理解を広めてきました。
取材では、花王グループ社会コミュニケーション部門から、企業の歴史や事業内容を含めて、社会課題解決の取り組みを詳しくお話しいただきました。
身近な企業でありながら初めて耳にする話も多くあり、花王のこれまでの歩み、これから先のビジョンの両方についてしっかり聞くことができました。
③ 弁護士が学校で法の精神を伝える
3つ目の取材先は、愛知県弁護士会。
愛知県を拠点とする弁護士さんが所属する団体です。弁護士と聞くと、裁判で弁護するようなシーンをイメージするかもしれません。学生たちも、そんな少しかためで、厳かな印象を持っていたといいます。けれど、そうした仕事のほかにも、弁護士同士でチームを組み、さまざまな取り組みがされているそうです。今回お話を聞いたのは、法教育委員会のみなさんです。学校の先生たちと協力して、児童生徒に法の精神について伝え、必ずしも正解がひとつでない問題を、議論を通して一緒に考える授業をおこなっています。
実際に学校で授業を担当する弁護士の皆さんたちからお話を聞き、学生たちからもどんどん質問が出されます。とても気さくにお話しいただき、なごやかな雰囲気で取材は進みました。学生たちの弁護士という職業に対するイメージも少し変化したようです。
④ 地域に関わり、ボランティア活動を通して学ぶ
4つ目のチームが訪れたのは、愛知学院大学の名城公園キャンパス。
ここでは、キャンパスがある北区や周辺地域の市民の方々と連携して行われているボランティアの講義についてお話を聞きました。学生たちが地域のいろいろなボランティアに参加し、その経験を踏まえて、まちの課題やそこで活動する人たちについて学びます。この講義を担当する先生と受講した愛知学院大学の学生に取材しました。地域の運動会のお手伝い、交通安全の啓発活動など、ボランティアを通じて、どのような気づきを得たのか、リアルな体験談を交えて話が深まっていきます。
取材した学生からは、カリキュラムの詳細やその背景にある先生の思いなどについて、細かい部分まで押さえる質問も出されました。
⑤ 生命保険のプロならではの社会課題解決
5つ目のチームは、明治安田生命保険相互会社でお話を聞きました。
生命保険事業で築いたネットワークも活かしながら、名古屋市と連携して役立つ行政サービスの案内や、従業員の健康を考慮した経営を後押しするセミナーなどをおこなっています。取材の日には「健康経営セミナー」が開催されており、セミナーを見学させていただきました。
セミナーでは、企業同士の健康経営に関する座談会を見学したり、健康測定機器の体験会で実際に測っていただくなど、お話を聞くだけでなく、どんな取り組みかをリアルに体感できました。こうした場を間近にするチャンスを得られるのも、この学生取材の醍醐味のひとつといえるかもしれません。
⑥ いざという時に備える名古屋市とイオンの連携
6つ目のチームの行き先はイオン株式会社。
たくさんの人の暮らしに根ざすイオンは、各地の自治体と連携して社会に関わる幅広い活動をおこなっています。今回は主に防災の取り組みを取材しました。担当者の方からイオングループの紹介とともに、過去の災害時における対応や、地域の防災訓練への参加などの災害への備え等について、丁寧にご説明いただきました。
企業の防災への姿勢は、普段の生活ではなかなか知る機会のないものです。目に見えないところで非常時のための準備が整えられているのだと知ることができました。加えて、大規模な施設・設備があり、日用品を扱うイオンだからこそできる取り組みがあると分かったのではないかと思います。
⑦ 最新の技術とデータを駆使して交通安全に貢献
最後のチームが訪問したのは、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社。
地域社会への参画を積極的におこなっていく方針のもと、損害保険事業の強みを活かしたいろいろな活動がなされています。その具体例として、膨大な運転データをもとに作成された「交通安全マップ」について詳しくお話しいただきました。道の交通量や危険度を可視化して、安全に通行できる地域づくりのため、新しい技術を駆使して社会課題解決に取り組みます。
学生たちからは、こうした技術の詳細に関する質問や、名古屋市との連携の仕方についての質問などが出されました。さらに、企業が地域社会に関わる意味についても目が向けられ、ひとつの取り組みの話にとどまらない取材になったと感じます。
以上、7つの企業・団体に取材をしました。
一言に「社会課題解決」「名古屋市との連携」といっても、その取り組みは実に多種多彩です。参加した学生の皆さんからは、「初めて知った」という感想も多く聞かれました。
取材を終え、各チームが原稿制作に奮闘中。それぞれどんな記事が出来上がるのか、完成した冊子もぜひご覧いただけたら嬉しいです。