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「名古屋市での大学生活の魅力」をテーマに学生が提言 ―椙山女学園大学の学生が名古屋市と連携したPBLを実施―

 名古屋市では、大学と連携し、「若い世代が、学び、遊び、働けるまち」を実現し、学生から選ばれるまちづくりをすすめています。このたび、椙山女学園大学との連携により、『名古屋市での大学生活の魅力の検討・提案について』をテーマとしたPBL(Project Based Learning)を実施しました。

前田ゼミによる分析・提言

 前田ゼミでは、名古屋圏における大学進学・通学動向について、公的データを用いて分析しました。また、地元大学への進学率(地元残留率)の高さや、授業料・家賃など生活コストの違い、就職環境なども含め、名古屋圏の学生を取り巻く環境を多角的に整理しました。

 分析の結果、少子化の影響により東海三県の高校卒業者数は減少傾向にある一方で、進学率の上昇により大学進学者数は微増傾向にあることが分かりました。また、学生の通学圏は鉄道沿線に集中しており、春日井市・一宮市・豊田市など周辺都市から多くの学生が通学していることが確認されました。さらに、愛知県は地元大学への進学率が高く、生活費や授業料の負担が比較的低いことや、製造業を中心とした企業集積により就職機会が豊富であることなどが、学生が地域にとどまる要因となっている可能性が示されました。

 これらの分析を踏まえ、名古屋圏における学生確保に向けて、①学生生活を支える支援制度の充実、②地域企業の魅力や就職機会の積極的な発信、③通学の際の混雑解消や通学圏域の拡大といった取り組みが重要であるとの提言がされました。また、こうした取り組みを進めていくことで、名古屋圏の魅力を高め、学生に選ばれる都市の実現につなげていくことの重要性が示されました。

野崎ゼミによる独自調査に基づく実証分析

 野崎ゼミでは、名古屋市の後援のもと、市内大学・大学院に通う学生を対象に独自のWebアンケート調査を実施し、定住意向と生活満足度の関係を回帰分析により検証しました(2024年11月~12月実施、有効回答318名、分析対象306名)。分析では、①定住意向の決定要因、②生活満足度を高める要因、③入学前の期待と入学後の評価のギャップ、の3点を検討しました。

 その結果、名古屋市での生活満足度が1ポイント高まると、卒業後も名古屋に住み続けたいという意向が18%ポイント上昇することが示されました。公共交通・アクセス・買い物環境は高く評価される一方、教育・学習支援については期待を下回り、統計的にも有意なギャップが確認されました。また、女性学生は生活満足度が有意に高いにもかかわらず定住意向に性差はなく、満足度が定住に結びつきにくい層の存在も明らかになりました。

 これらを踏まえ、若者の定住促進に向けては、都市の利便性という強みを活かしつつ、教育・学習支援とキャリア形成支援の充実、地元出身でない学生や寮生が地域とつながる機会の拡充が重要であると提言しました。

成果報告会の開催

 本PBLの一環として、令和8年1月26日(月)には、女性活躍推進企業へのインタビュー調査とあわせて、学生による成果報告会を実施しました。

 報告会では、前田ゼミおよび野崎ゼミの学生が、それぞれの調査・分析結果や提言内容について発表を行い、市の担当者との意見交換も行われました。

 最後に、両ゼミのゼミ長より市の担当者および協力企業への感謝の言葉が述べられ、担当教員からも関係各位への謝意と今後の市と大学とのさらなる連携発展への期待が示されました。

 本報告会は、学生にとって調査成果を社会に発信する貴重な機会となり、大学と地域社会との連携の意義を改めて確認する場となりました。

 また、本成果報告会の開催にあたっては、人を大切にするオフィス空間デザイン・働き方コンサルティングを手がける株式会社丸天産業様に会場を提供いただきました。このような貴重な機会をありがとうございました。

 女性活躍推進企業へのインタビュー調査に関する取り組みはこちら





最後に

 今回のPBLを通じて得られた学生ならではの視点や分析結果は、今後の市の施策検討において貴重な示唆となるものです。

 名古屋市では、引き続き大学との連携を進め、学生の声を活かした魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。